振れ
ふれ
名詞
標準
文例 · 用例
わずかにデッキの上でバタバタと、その切れっ端が洗濯したおしめのように振れていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
昔からあの家は、お仲人の振れ込みほどのことも無く、ケチくさいというのか、不人情というのか、わたくしどもの考えとは、まるで違った考えをお持ちのようで、あのひとがこちらへ来てからまる八年間、一枚の着換えも、一銭の小遣いもあのひとに送って来た事が無いんですよ。
— ―――一幕三場 『春の枯葉』 青空文庫
飛んで来て止まった時には最初大きく振れるが急速な減衰振動をして止めてしまう。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
これに添ってゆく傍の者は遣り切れないの連続と共に傍目も振れぬ充実の継続であった。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
少女は見て、その悲哀を癒す水はここにありと、小枝を流れに浸しこなたに向かいて振れば、冷たき沫飛び来たりて青年の頬を打ちたり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
……其の毎に、銀杏返の黒い頭が、縦横に激しく振れて、まん円い顔のふら/\と忙しく廻るのが、大な影法師に成つて、障子に映る…… で、駅は唯水の中のやうである。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
だが何気なく読みはじめた論文の数行に、好奇心の針が鋭く振れた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
簡単にルビを振れないのも評判が悪く、紙に比べると画面上の文字が実に淡泊で弱々しい点も、あらためて「こんなものか」と指摘されました。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫