善げ
よげ
形容動詞
標準
seeming good
文例 · 用例
北の屋蔭の苔むしたる井筒に、新調の洋服涼しげなる若人二人、巴里形の麥藁帽子見よげにかぶりて、細き櫻のステツキを手すさびに振り上げ、花もまだきなる紫陽花の葉を叩きつ、あやめを隔ててこなた、うちまもり給へるなりけり。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
」と何かの機會に、さう言つて、笑つたことがあるけれども、そのとき、家内の母は、ひとり笑はず、正直に淋しさうな顔をして見せて、私はそれに氣がつき、おそろしく、しよげてしまつたことがある。
— 太宰治 『當選の日』 青空文庫
暫らく彼はいかにも心地よげに、そして苦がなささうに裝ふのに成功してゐました。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『巴里の手紙』 青空文庫
夕闇の風、軽ろく雨を吹けば一滴二滴、面を払うを三人は心地よげに受けてよもやまの話に入りぬ。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
」 日本語の分る時以礼は、人のよげな、いくらか顔にしまりがない、落胆した、恨めしげな王を指して、兵士達に話した。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
中津は、山崎が、すゞのことを云いだしたついでに、こころよげに、にこ/\しながら、自分の計画を打ちあけた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
」赫はまた、快よげに眼を細めた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
」 阿見は、相かわらず、ずるげな、同時にこころよげな笑いを浮べながら、酒くさい息を坑夫達の顔にゲップ/\吹きかけた。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫