金鍔
きんつば
名詞
標準
confection of sweetened beans wrapped in wheat-flour dough (in the shape of a sword guard)
文例 · 用例
十時過ぎに帰って来て、袂からおみやげの金鍔と焼き栗を出して余のノートを読んでいる机のすみへそっとのせて、便所へはいったがやがて出て来て青い顔をして机のそばへすわると同時に急に咳をして血を吐いた。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
たとえばやはり同じ『灰汁桶』の巻で、芭蕉の「蛭の口処をかきて気味よき」や「金鍔」や「加茂の社」のごときはなかなか容易に発見されるような歯車の連鎖を前々句に対して示さない。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
ついでにお茶請の御註文が、――栄太楼の金鍔か、羊羹も真平だ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
淺草でも、銀座でも、上野でも――人の往來、店の構へ、千状萬態、一卷に道中の繪に織込んで――また内證だが――大福か、金鍔を、豫て袂に忍ばせたのを、ひよいと食る、其の早業、太神樂の鞠を凌ぐ……誰も知るまい。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
金鍔は二錢で四個あつた。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
――いささか気障ですが、うれしい悲しいを通り越した、辛い涙、渋い涙、鉛の涙、男女の思迫った、そんな味は覚えがない、ひもじい時の、芋の涙、豆の涙、餡ぱんの涙、金鍔の涙。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
小銅五厘|也、交番へ届けると、このお捌きが面白い、「若、金鍔を食うが可かッ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
「余所へ行きな、金鍔一つは売られない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
標準
metal sword guard