白粉
おしろい
名詞
標準
white makeup powder
文例 · 用例
とある杉垣の内を覗けば立ち並ぶ墓碑|苔黒き中にまだ生々しき土饅頭一つ、その前にぬかずきて合掌せるは二十前後の女三人と稚き女の子一人、いずれも身なり賤しからぬに白粉気なき耳の根色白し。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
白粉花ばかりは咲き残っていたが鶏頭は障子にかくれて丁度見えなかった。
— 寺田寅彦 『根岸庵を訪う記』 青空文庫
四郎の人気はだんだん落ちて、この頃では、白粉や紅を塗って田舎芝居で散々|愚弄される敵役に使われているという風評になった。
— 岡本かの子 『みちのく』 青空文庫
顔は少し横向きになっていたので、厚く白粉をつけて、白いエナメルほど照りを持つ頬から中高の鼻が彫刻のようにはっきり見えた。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
また西沢李叟は江戸の化粧に関して「上方の如く白粉べたべたと塗る事なく、至つて薄く目立たぬをよしとす、元来女は男めきたる気性ある所の故なるべし」といっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
喜田川守貞の『近世風俗志』に「首筋に白粉ぬること一本足と号つて、際立たす」といい、また特に遊女、町芸者の白粉について「頸は極て濃粧す」といっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
しかし白粉気のない顔の表情はどこかそこらの高等女学校生徒などと比べては年の割にふけて見えるのである。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
焦心霜ふりてすこしつめたき朝を、手に雲雀料理をささげつつ歩みゆく少女あり、そのとき並木にもたれ、白粉もてぬられたる女のほそき指と指との隙間をよくよく窺ひ、このうまき雲雀料理をば盗み喰べんと欲して、しきりにも焦心し、あるひとのごときはあまりに焦心し、まつたく合掌せるにおよべり。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
作例 · 標準
例句