途切れ目
とぎれめ
名詞
標準
文例 · 用例
博士は夫人との会話の途切れ目を捕えては、話を葉子に向けて慰め顔にあしらおうとしたが、いつでも夫人が葉子のすべき返事をひったくって物をいうので、せっかくの話は腰を折られた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
そうして涙の途切れ目途切れ目に、彼女の結婚がお貞さんより後れたので、それでこんなに愚弄されるのだと言明した末、自分を兄妹に同情のない野蛮人だと評した。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
この軽便だってそうでしょう、あなた、なまじいあの仮橋で用が足りてるもんだから、会社の方で、いつまでも横着をきめ込みやがって、掛けかえねえんでさあ」 津田は老人の人世観に一も二もなく調子を合すべく余儀なくされながら、談話の途切れ目には、眼を眠るように構えて、自分自身に勝手な事を考えた。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
頂上の展望も相当に広いであろうが、私が此処を通過した時はいつも霧か雨で、僅に雲霧の途切れ目から一ノ倉山の頂を垣間見たのみであった。
— 木暮理太郎 『利根川水源地の山々』 青空文庫
ひとりの若い女性の身の上に連続している日常のアクションの、ふとした途切れ目が描かれていた。
— 片岡義男 『道順は彼女に訊く』 青空文庫
途切れ目にいたるまで続いたアクションの余韻が、まだ消えていない。
— 片岡義男 『道順は彼女に訊く』 青空文庫
と同時に、途切れ目のあとにすぐまた始まるはずのアクションの予感が、若い彼女の全身にはっきりとあった。
— 片岡義男 『道順は彼女に訊く』 青空文庫
アクションのそのような豊富さは、ふとした途切れ目の静かな官能を増幅していた。
— 片岡義男 『道順は彼女に訊く』 青空文庫