巾幗
きんかく
名詞
標準
文例 · 用例
彼女は実に一箇|巾幗の身を以て、深窓宮裡花陰の夢に耽るべき人|乍ら、雄健の筆に堂々の議論を上下し、仏蘭西全国の民を叱咤する事、猶猛虎の野に嘯くが如くなりき。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
此ノ餘儀ナキ明日ヲ憂ヒ彼ノ凄慘タル隣邦ヲ悲シム者、如何ゾ直譯社會主義者流ノ巾幗的平和論ニ安ンズルヲ得ベキ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
一端の布に包むを覚えけり米と白菜と乾鮭を我 世話女房になりきつた巾幗詩人の述懐であるが、流石に明治時代は風流なことであつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
尤も右に述べたのは、皆新聞紙上に表れた者のみであるから、勿論吾人の視聴に触れない、幾多の巾幗登山者があったに相違ない。
— 島木赤彦 『女子霧ヶ峰登山記』 青空文庫
」と、日本の、明治の、巾幗小説家たちの、創世期時代の人々の名をあげたが、それは、そんな古いことではなかったから、錦子も、おぼろげながら知っていた。
— 長谷川時雨 『田沢稲船』 青空文庫
嘗て、戟を横へて、洛陽に源氏の白旄軍を破れる往年の髭男も、一朝にして、紅顔涅歯、徒に巾幗の姿を弄ぶ三月雛となり了ンぬ。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
皇后は巾幗の身を以て、遠く海を渡り三韓を伐たせられし程の人なれば、資性勇武にましまししは言を俟たざれども、而も世の歴史家が此大功を奏せられしを以て、偏に皇后が千軍萬馬の間に叱※せられし武勳にのみ因るとなせば、そは大なる誤なり。
— 白鳥庫吉 『倭女王卑彌呼考』 青空文庫
外に二三|巾幗の評語あり。
— 清水紫琴 『誰が罪』 青空文庫