縫い直し
ぬいなおし
名詞
標準
文例 · 用例
あれを姉さんが、直治が来年の夏に着るようにと縫い直して下さったでしょう。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
家の道具も、たいてい廃物利用で間に合わせて居りますし、着物だって染め直し、縫い直しますから一枚も買わずにすみます。
— 太宰治 『きりぎりす』 青空文庫
さっそく電髪屋に行って、髪の手入れも致しましたし、お化粧品も取りそろえまして、着物を縫い直したり、また、おかみさんから新しい白足袋を二足もいただき、これまでの胸の中の重苦しい思いが、きれいに拭い去られた感じでした。
— 太宰治 『ヴィヨンの妻』 青空文庫
洗って縫い直したものらしく、いくぶん小綺麗にはなっていたが、その布地の羊羹色と、縞の渋柿色とは、やはりまぎれもない。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
ボタンの列の終ったところで、きゅっと細く胴を締めて、それから裾が、ぱっとひらいて短く、そこのリズムが至極軽妙を必要とするので、洋服屋に三度も縫い直しを命じました。
— 太宰治 『おしゃれ童子』 青空文庫
このごろは雨つづきで草履屋の商売も休みも同様であるばかりか、亭主の藤吉は宵から出ているので、女房のお徳は店を早く閉めて、奥の長火鉢の前で浴衣の縫い直しをしている時、表の戸をそっと叩く音がきこえたので、お徳は針の手をやめて顔をあげた。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
縫い直して上げようか、と考えながらお民は京子の歩行を熱心に見て居る。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
「あんらも今あれアたとい東京へ行くにしたってはずかしい思いはしないに」と、ろくに手を通さない紋附や小紋のようなものを、縫い直しにやると言って、一ト背負い町へ持ち出して行かれたことなどを、くどくどと零した。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫