言語に絶する
げんごにぜっする
表現動詞-サ変-特殊
標準
to be beyond words
文例 · 用例
専門の技芸の外には、世間に役立つ程の学才智能があるのではなし、銭勘定さえ知らない程に世事に疎かった能役者は幕府の禄こそ多くなかったが、諸大名からの夥しい扶持を得て前記の如き贅沢な安逸に耽っているのであるから、すべての禄に離れて、自活を余儀なくされた能役者の困惑は言語に絶するものであった。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
今迄読んだ部分だけでも、作中人物の対話の嶄新さ、夢や狂気にまで滲透してゆく心理の翳など大変なものですが、現在のような環境であのような仕事を続けて行くということは、殆ど言語に絶する忍耐を要する業かもしれません。
— 原民喜 『ある手紙』 青空文庫
一九四五年八月六日、言語に絶する広島の惨劇を体験して来た私にとつて、八月六日といふ日がめぐり来ることは新たな戦慄とともにいつも烈しい疼きを呼ぶ。
— 原民喜 『平和への意志』 青空文庫
後になって、その謎が一瞬間に解けたとき、あたしは言語に絶する驚愕と悲嘆とに暮れなければならなかった。
— 海野十三 『俘囚』 青空文庫
岩井繁雄が巣鴨駅で目撃した言語に絶する光景とはどんなことなのか私には詳しくは判らなかったが、とにかく、ぞっとするようなものがいたるところに感じられる時節であった。
— 原民喜 『翳』 青空文庫
夜間のこととて、わずかにもれる光に、舷側の白い波浪や艦尾に沸くおびただしい水沫、それから艦内をゆるがす振動音などが乗組員たちの耳目をうばっているにすぎないが、昼間だったら、まさに言語に絶する壮観であったに違いない。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫
三『中央公論』四月号には、同志小林の長篇小説「転換時代」が言語に絶する伏字、削除をもって発表されている。
— ――四月の二三の作品―― 『同志小林の業績の評価によせて』 青空文庫
その上言語に絶する残虐が屍体に加えてあって、何のためか、左の腋の下から左肋へ掛けて注意深く×り×き、背中の肩胛骨の真下にも、左右に各一つずつ深くナイフを×き×した痕があった。
— 牧逸馬 『双面獣』 青空文庫
作例 · 標準
その高い山の頂上から眼下に眺めた広大な雲海の景色は、まさに言語に絶する神々しい美しさだった。
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「おぉ、これほどまでに凄惨な事件現場は初めてだ……全くもって言語に絶する光景だよ」
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大震災の被災地で直に目にしたあまりの惨状は、言語に絶するほどの深い衝撃を若き日の彼に与えた。
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