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掴得

掴得
名詞
1
標準
文例 · 用例
お艶の病気中、わたしはそれを稽古したし、それから幕末維新の苦難な芸界を経て来たわたしの父親も師匠も、何ぞといえば難事掴得に支払う貨幣として生命を引宛てることを言った。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
◇ この私有制度を滅すに就ては、漸進的解放と、急進的革命の二つの方法があると思ひますが、漸進的にしろ、急進的にしろ、自由は与へられた処に獲得し得るものではなく、掴得する処に与へられるものであります。
有島武郎 農民文化といふこと 青空文庫
恩恵的に与へられる処に自由はなく、自ら掴得する処に真の自由があるのであります。
有島武郎 農民文化といふこと 青空文庫
例へ漸進主義的方法を採用するにしても、恩情的に文化を或は自由を与へようとするやうなことなく自由を持たざる人が自己に目醒めて、進んで自由を掴得したいと頭を擡げて来た時に、その気勢を看取して、それに充分の力を添へてやると云ふ方法を採ることが大切であると思ひます。
有島武郎 農民文化といふこと 青空文庫
幸福に充実して生活したいと云う激しい人間的欲求が、四周の事物に障害される感じに堪えず、何処までもそれを打ち破って自己の要求するものを掴得せずには置かないと云う熱情がある。
一九二三年(大正十二年) 日記 青空文庫
中村鴈治郎が東都の人気を掴得しようとすると歌舞伎座から「まだ旦那のお招きをうけないが――」と頼みこんでくる。
長谷川時雨 お墓のすげかえ 青空文庫
七 こうしてよきスポーツマンの実存は、掴得したフォームの気分を常に反覆的に繰返して味うことによってそれを熟せしめながら、しかもそれを脱落してより先に躍進せんとするところの、愈々不断の瞬間の持続である。
中井正一 近代美の研究 青空文庫
332     これまた凡てを一擧に掴得せんとするのが如何に誤つた遣り口であるかを證する好個の例證である。
關口存男 新獨逸語文法教程解説 青空文庫