板間
いたま
名詞
標準
文例 · 用例
淋しい田舎の古い家の台所の板間で、袖無を着て寒竹の子の皮をむいているかと思うと、その次には遠い西国のある学校の前の菓子屋の二階で、同郷の学友と人生を論じている。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
ピアノが台の下の小滑車で少しばかり歩き出しており、花瓶台の上の花瓶が板間にころがり落ちたのが不思議に砕けないでちゃんとしていた。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
この道場というは四|間と五間の板間で、その以前豊吉も小学校から帰り路、この家の少年を餓鬼大将として荒れ回ったところである。
— 国木田独歩 『河霧』 青空文庫
そうして黒光りのする台所の板間で、薄暗い石油ランプの燈下で一つ一つ皮を剥いでいる。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
よく風が通るから」 と言って、小君は板間に上敷をひろげて寝た。
— 空蝉 『源氏物語』 青空文庫
山の端に入るまで月をながめ見ん閨の板間もしるしありやと こんな返しを伝えさせている時、この家の大尼君が、さっきから笛の音を聞いていて、心の惹かれるままに出て来た。
— 手習 『源氏物語』 青空文庫
秋も段々に末になって伝馬町の牢屋でも板間の下で※が鳴いた。
— 岡本椅堂 『黄八丈の小袖』 青空文庫
応接間の入口は低い板間で、突当りの高い所に蒲団が敷いてある。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫