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馬子唄

まごうた
名詞
1
標準
文例 · 用例
私たちの、これから溯ろうという、東俣の谷と、西俣の谷とは、下流三里のところで一つになり、初めて田代川――馬子唄で名の高い、海道一の大井川の上流――となって、西南の方向へと、強い傾斜を走って行くのである。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
空の月のうらを行くと思ふあたり遥に馬子唄が聞えたて。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
『しばらくすると朗々な澄んだ声で流して歩く馬子唄が空車の音につれて漸々と近づいて来た。
国木田独歩 忘れえぬ人々 青空文庫
信濃のは馬子唄ですから、上り下りの山路の勾配から、轡の音、馬の歩調に合せて出来上ったものなのです。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
馬子唄で幕を明けるようになっちゃあ、江戸っ子も型なしです。
岡本綺堂 綺堂むかし語り 青空文庫
やがて長閑な馬子唄が、春に更けた空山一路の夢を破る。
夏目漱石 草枕 青空文庫
馬子唄の鈴鹿越ゆるや春の雨と、今度は斜に書きつけたが、書いて見て、これは自分の句でないと気がついた。
夏目漱石 草枕 青空文庫
馬子唄や白髪も染めで暮るる春と次のページへ認めたが、これでは自分の感じを云い終せない、もう少し工夫のありそうなものだと、鉛筆の先を見詰めながら考えた。
夏目漱石 草枕 青空文庫