若樹
にゃくじゅ
名詞
標準
文例 · 用例
根地の中に老い、幹土に枯るる樹木も水の香にあえば、忽ち若樹として再生するが如く、人はその体地の中に枯れその魂土に帰するも、一度神の霊の香に会わんか忽ち復生し、再び若くして地の上に立つに至るであろう――と黒雲の中に光明は隠見するのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
若樹の梢より、老樹の樹の間に、居所かわるがわる、月の形かからむとして、動くにや、風の凪ぎたる柳の枝、下垂れて流れの上に揺めきぬ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
青き葉の銀杏のはやし青き葉の銀杏の林、細らなる若樹の林。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
細らなる若樹のはやし、頬白の鳴く音もきかず。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
あはれ、あはれ、銀杏の林、青き青き若樹の林。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
道聽途説は林|若樹さんの所藏の書である。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
野邊の若樹の葉がくれ、根白葦の笛吹きて、みぎはの羊を呼ばふ子等も、なが音夕に聞きては、靜かなる世もみだれて、そことしもなく歎きやせめ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
若樹の櫻が時ならぬ雪の衣を着て、雪の重みに堪へかねて、ユラリユラリと搖れるのだ、ユラリユラリと動くのだ。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫