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心覚え

こころおぼえ
名詞
1
標準
memory
文例 · 用例
思わず飛上って総身を震いながらこの大枝の下を一散にかけぬけて、走りながらまず心覚えの奴だけは夢中でもぎ取った。
泉鏡花 高野聖 青空文庫
このつかまえにくい頭としっぽをつかまえようというのではないが、世間にうとい一学究の書斎のガラス戸の中からながめたこの不思議な現象のスケッチを心覚えに書きとめておこうというのである。
寺田寅彦 ジャーナリズム雑感 青空文庫
雑記帳の終わりのページに書き止めてある心覚えの過去帳をあけて見るとごく身近いものだけでも、故人となったものがもう十余人になる。
寺田寅彦 備忘録 青空文庫
それも心細く、その言う処を確めよう、先刻に老番頭と語るのをこの隠れ家で聞いたるごとく、自分の居処を安堵せんと欲して、立花は手を伸べて、心覚えの隔ての襖に触れて試た。
泉鏡花 伊勢之巻 青空文庫
中にね、――潰島田に水色の手柄を掛けた――年数が経って、簪も抜けたり、その鬢の毛も凄いような、白い顔に解れたが――一重桜の枝を持って、袖で抱くようにした京人形、私たち妹も、物心覚えてから、姉に肖ている、姉さんだ姉さんだと云い云いしたのが、寂しくその蜜柑箱に立っていた。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
私も初手の内は二軒三軒と心覚えにしておいたが、蛇の道は蛇じゃ、段々その術に長ずるに従うて、蔓を手繰るように、そら、ぞろぞろ見付かるで。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
橋は心覚えのある石橋の巌組である。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
晩方の心覚えには、すぐその向うが、おなじ、ここよりは広い露台で、座敷の障子が二三枚|覗かれた――と思う。
泉鏡花 鷭狩 青空文庫
作例 · 標準
買い物リストを忘れないよう、手のひらに心覚えを書いておいた。
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昔の同級生の名前が思い出せず、アルバムを見て心覚えを探した。
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旅先での出来事を心覚えとして手帳に記しておくのが私の習慣だ。
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