案じ煩う
あんじわずらう
動詞
標準
文例 · 用例
中には茫然と眺め入って、どうしてその日の夕飯にありつこうと案じ煩うような落魄した人間も居る。
— 島崎藤村 『並木』 青空文庫
何時来るかも知れないような春を待侘び、身の行末を案じ煩うような異郷の旅ででもなければ、これほど父の愛を喚起す事もあるまいかと思われた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
さっそく汽車に乗って出て見ると、市街が乾し物で大騒ぎであったに反して、在方では麻畠も桑畠も真白な泥の下になり、どうしてもとの美しさに復ろうかと案じ煩うごとくに見えた。
— 柳田国男 『雪国の春』 青空文庫
私はやっと安心して、その代りに、俄に気がかりになり出した河野の身の上を、又しても案じ煩うのでありました。
— 江戸川乱歩 『湖畔亭事件』 青空文庫