本役
ほんやく
名詞
標準
文例 · 用例
本役には釣狐のシテ、白蔵主を致しまする筈。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
染太夫 (庄吉をみかへる)いや、伴内はこの男が本役だ。
— 岡本綺堂 『近松半二の死』 青空文庫
それであるから、それが誰も知っている狂言の場合には、どれが本役で、どれが捨役であるかを判別することも出来るが、馴染の薄い狂言や新狂言の場合には容易に見当が付かない。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
そのなかでわたしの記憶に残っているのは、求古会のある人が彼にむかって、今度の代り役の義経は本役よりも評判が好いようだと言うと、菊五郎は急に真面目になって、「ほんとうですかえ、本当ですかえ。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
「わっしの本役は蝶々の一件で、お近や幸之助の方はまあ枝葉のような物なんですが、不意にこんな掘出し物をすると、ついそっちが面白くなって……。
— 白蝶怪 『半七捕物帳』 青空文庫
清助は吉左衛門が見立てた人物だけあって、青々と剃り立てた髯の跡の濃い腮をなでて、また福島の役所の方から代替り本役の沙汰もないうちから、新主人半蔵のために祝い振舞の時のしたくなぞを始めた。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
この元禄十三年度の饗応役に、本役には岡部美濃守、添役には立花出雲守が振りあてられた、と、土屋相模守にいい渡されたとき、出雲守は顔いろを変えた。
— 林不忘 『元禄十三年』 青空文庫
本役の岡部殿からは、この扇箱ひとつ――ふふふ、二重底であろう。
— 林不忘 『元禄十三年』 青空文庫