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名詞
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標準
文例 · 用例
しかるに先生が俳壇の偉人であると云うことは、天下知らざるものなき程でありながら、歌壇の偉人であると云うことを知っているものは、天下幾人も無いと云うに至っては実に遺と云わねばならぬ。
伊藤左千夫 正岡子規君 青空文庫
勿論其の当時にあっては予も総べての希望を諦め老親の膝下に稼穡を事とする外なしと思ったが、末子たる予は手許に居るというても、近くに分家でもすれば兎に角、さもなければ他家に養子にゆくのであるから、老親の希望を遺なく満足させるは、少しく覚束ない事情がある。
伊藤左千夫 家庭小言 青空文庫
云ひ換へると石川君は、自分の考へた通りに、其要求の通りに作物が遺なく目的を達して居るのである。
伊藤左千夫 『悲しき玩具』を読む 青空文庫
哲学がそれを謳歌し、宗教がそれを賛美し、人間のことはそれで遺のないように説いている。
伊藤左千夫 奈々子 青空文庫
著者はこれについて興味ある研究を持っているけれども、此処に発表する余頁のないのを遺とする。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
実をいへば詩集「月に吠える」出版の時、序文を是非蒲原有明先生にたのみたく再三書簡を以て懇願したるも返事を下さらないので、遺ながら意を果さなかつたやうなわけです。
萩原朔太郎 蒲原有明に帰れ 青空文庫
蕪村とちがって、芭蕉の研究は一般に進歩しており、その本質の哲学や詩精神やも、既にほぼ遺なく所論し尽されてる観がある。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
宇宙万象の秋、人の心に食い込む秋思の傷みを咏じ尽して遺なく、かの芭蕉の名句「秋ふかき隣は何をする人ぞ」と双壁し、蕪村俳句中の一名句である。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫