離室
りしつ
名詞
標準
文例 · 用例
すっかり潮のように引いたあとで、今日はまた不思議にお客が少く、此室に貴方と、離室の茶室をお好みで、御隠居様御夫婦のお泊りがあるばかり、よい処で、よい折から――と言った癖に……客が膳の上の猪口をちょっと控えて、それはお前さんたちさぞ疲れたろう、大掃除の後の骨休め、という処だ。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
二 客は、なまじ自分の他に、離室に老人夫婦ばかりと聞いただけに、廊下でいきなり、女の顔の白鷺に擦違ったように吃驚した。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
」「はあ、あの病気の発りましたのは内だったんですけれど、こんな稼業でしょう、少しは身体を動かしてもいいと、お医師がおっしゃいましてから、すぐ川崎の方へ……あの、知合の家が広うございますもんですから、その離室のような処へ移しましたんですの。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
大きい木戸から作り庭の燈籠の灯影や、橋がかりになった離室の見透されるような家は二軒とはなかった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
貞世が腸チブスと診断されたその晩、葉子は担架に乗せられたそのあわれな小さな妹に付き添ってこの大学病院の隔離室に来てしまったのであるが、その時別れたなりで、倉地は一度も病院を尋ねては来なかったのだ。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
光は流れて斜に庭の一部分と隔離室の建物の側面とを照した。
— 水野仙子 『輝ける朝』 青空文庫
一九一五(大正四)年 一月、再度九州大学附属病院に入院し、隔離室へ。
— 長塚節 『長塚節句集』 青空文庫
」「その家には、離室でも、別にあるのかね?
— 佐左木俊郎 『栗の花の咲くころ』 青空文庫