底意
そこい
名詞
標準
true intention
文例 · 用例
豚はそのあとで、何べんも、校長の今の苦笑やいかにも底意のある語を、繰り返し繰り返しして見て、身ぶるいしながらひとりごとした。
— 宮沢賢治 『フランドン農学校の豚』 青空文庫
もちろんこれは昔そういう場所でそういう箸で鮓を食った事があるには相違ないが、何ゆえにそういう一見|些細なことがそれほど強い印象を何十年後の今日までもとどめているのであるか、これには現在の自分には到底意識されない理由があるに相違ないのである。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
ヒステリーは治つたが、左の口尻がつり上つたきりになつて、底意地悪い顔付に見える母も、頬だけは美しい血の色を見せながら、痩せて蝋のやうな皮膚の色の兄も、跛足でしなびた小さい哲も、家の中に暖かみと繁盛とを齎らす相ではなかつた。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
」と壁に響くがごとき力ある笑声、笑うのに力が有って、あえて底意は無さそうである。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」と、底意地の惡さうな返事をして、自分の頭を撫て呉れる。
— 三島霜川 『水郷』 青空文庫
それから押入れを一パイに開いて、そこに投げ込んである二三枚のボロ夜具だの、蚊帳だの、針金で鉢巻をした大きな瀬戸火鉢だの、古い新聞紙や古電球なぞをジロジロ見まわしているようであったが、やがて、今までとは丸で違った、底意地の悪い声を出しながら私をふり返った。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
そのころには私も或る無学な田舎女と結婚していたし、いまさら汐田のその出来事に胸をときめかすような、そんな若やいだ気持を次第にうしないかけていた矢先であったから、汐田のだしぬけな来訪に幾分まごつきはしたが、彼のその訪問の底意を見抜く事を忘れなかった。
— 太宰治 『列車』 青空文庫
あとになつて、たみの代りに年とつた肥えた女中が私へつくやうになつたが、それが母のさしがねである事を知つた私は、母のその底意を考へて顏をしかめた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
作例 · 標準
彼の親切の底意を探るうちに、不純な動機が見え隠れした。
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彼女の笑顔の裏には、何か底意があるように感じられた。
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その提案には、隠された底意があるのではないかと疑った。
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