担夫
たんおっと
名詞
標準
文例 · 用例
」 四「馬士にも、荷担夫にも、畑打つ人にも、三|人二|人ぐらいずつ、村一つ越しては川沿の堤防へ出るごとに逢ったですが、皆唯立停って、じろじろ見送ったばかり、言葉を懸ける者はなかったです。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
雪の難――荷担夫、郵便配達の人たち、その昔は数多の旅客も――これからさしかかって越えようとする峠路で、しばしば命を殞したのでありますから、いずれその霊を祭ったのであろう、と大空の雲、重る山、続く巓、聳ゆる峰を見るにつけて、凄じき大濤の雪の風情を思いながら、旅の心も身に沁みて通過ぎました。
— 泉鏡花 『雪霊記事』 青空文庫
寺院は随一の華主なる豆府屋の担夫一人、夕巡回にまた例の商売をなさんとて、四ツ谷|油揚坂なる宗福寺に来りけるが、数十輛の馬車、腕車、梶棒を連ね輪を駢べて、肥馬|嘶き、道を擁し、馭者、馬丁、車夫の輩、手に手に桝を取りて控えたる境内には、一百有余の俵を積み、白米|筵に山をなせり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
蕎麦屋の担夫が午砲が鳴ると、蒸籠や種ものを山の様に肩へ載せて、急いで校門を這入つてくる。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
蕎麦屋の担夫が午砲が鳴ると、蒸籠や種ものを山のように肩へ載せて、急いで校門をはいってくる。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
次には叫喚と殺到、そして、何の防禦用意もない担夫に向って一斉に突撃が試みられた!
— A CHRISTMAS CAROL 『クリスマス・カロル』 青空文庫
荷担夫は、鞄をタキシーの中へ投げ入れて、手荒に扉をしめると、「ホテル・ガリッツィヤ」 と、叫んだ。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
どうかご迷惑でも」 と、はや担夫に命じて、虎の台と、彼の駕籠とをかつぎ上げさせた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫