檜材
ひのきざい
名詞
標準
文例 · 用例
角厚な檜材の寝棺をお辻の死体が二つほども這入れるくらゐ広く造つた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
よくみると、襖は襖だが、特製のもので、こっちからみると紙が貼ってあるが、裏の方は檜材かなにかの堅い板戸になっている。
— 海野十三 『ネオン横丁殺人事件』 青空文庫
檜材のフレームを横に並べて、同じ檜材のボルトナットで締めた上、紙を巻いてアスファルトを塗り、これを何回かくりかえし、地中に埋めたもの。
— 海野十三 『海野十三敗戦日記』 青空文庫
」「つづいてよいのは檜材、それから松を使います」「よし」というと侍は、またも懐中へ手を入れたが、取り出したのは精妙を極めた、同じ船体の縦断面であった。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
そして、その大黒さまを作る材であるが、それは、檜材である。
— 甲子年の大黒のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
もう今では、香りのいい檜材なんかを鉋で削ってばかりはいられない。
— 豊島与志雄 『公孫樹』 青空文庫
以前の居住者T伯爵が宮内大臣をしてゐた時、木曾の御領林から切り出した檜材で建てたと噂されてゐた大きな寢殿造の建物なども見たが、そんなものよりも庭の方が私には興味があつた。
— 野上豐一郎 『桂離宮』 青空文庫
一度などは、伜を捕まへて――お前にこの普賢菩薩ほどの物が彫れたら、望みの通り返してやる、寶冠だけでも、首だけでもいゝから此場で彫つて見ろ――と、檜材と鑿を突きつけたこともあるさうで御座います。
— 歎きの菩薩 『錢形平次捕物控』 青空文庫