苛
いらち
名詞
標準
文例 · 用例
たとへば神經質の人や、内氣で非社交的な人々や、不健康で病弱の人々や、即ち一口で言へば、生存競爭の劣敗者たる素質を持つた人々は、概して皆苦しい夢、恐ろしい夢、人から苛められるやうな夢ばかり見る。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
人間がその發育した理智によつて、自然の苛虐から自衞を講じ、次第に他の強敵を征服して、自らの文化と歴史とを作つたのは、極めて最近の事蹟であり、人類進化の悠遠な史上に於ては、殆んど言ふに足らない短日月の歴史にすぎない。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
軍律を厳守することでも、新兵を苛めることでも、田舎に帰って威張ることでも、すべてにおいて、原田重吉は模範的軍人だった。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
働く時にも怠ける時にも、僕らは絶えずその苛虐の鞭に打たれているのだ。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
」 つまらない賭けごとが、病氣のやうにからまつてきて、執拗に自分の心を苛らだたせた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
そして日向の砂丘に寢ころびながら、海を見てゐる心の隅に、ある空漠たる、不滿の苛だたしさを感じてくる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
「皆が私を苛めるの。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
多くの人人が、たれも經驗するところの、あの苛苛した執念の焦燥が、その時以來憑きまとつて、絶えず私を苦しくした。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫