脆くも
もろくも
副詞
標準
quickly (succumb, collapse, etc.)
文例 · 用例
鴉が下りて来て牛の脊中の赤い紙を牛肉と思ってつつくと、牛は蠅でも追う気でぴしゃりと尻尾ではたく、すると摺粉木の一撃で鴉が脆くも撲殺されるというのである。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
米嚢花 けしは咲きたりと見るやがて脆くも散り行きて、心たくましき人に物のあはれを教へ顔なる、をかし。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
」二十一 旭 幾度か水火の中に出入して、場数巧者の探偵吏、三日月と名に負う倉瀬泰助なれば、何とて脆くも得三の短銃に僵るべき。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
でき、揚句に首も廻らぬ破目に押付けられて、一夜頭拔けて大きな血袋を麻繩にブラ下げて、脆くも冷い體となツて了ツた。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
彼の心地に宿った露草の花のようないじらしい恋人もあったのだけれども、この噂に脆くも破れて、実を得結ばずに失せた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
究理の利剣もその刃|脆くも地にこぼれ、科学の斧も其力を揮ふに由なく、たゞ詩と信仰のみ最大の権威を以て天啓の如く世界を司配す。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
如何にそれ等が渋堅い形を取っていようと、蒼空と大海原のような限りもなく窮まりもない時空の引伸し器に挟まれたなら、まるで縁日の芭蕉せんべいを焼くように、平たく展ばされ、脆くも軽く膨らまされて、もし割って食べられたら淡い甘みも付いていて、こどもの口にさえ、さぞおいしいようなものでしょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
思えば横光利一にとどまらず、日本の野心的な作家や新しい文学運動が、志賀直哉を代表とする美術工芸小説の前にひそかに畏敬を感じ、あるいはノスタルジアを抱き、あるいは堕落の自責を強いられたことによって、近代小説の実践に脆くも失敗して行ったのである。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
作例 · 標準
彼の築き上げた王国は、脆くも一夜にして崩れ去った。
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期待された新製品だったが、市場に出ると脆くも失敗に終わった。
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強豪チームと思われたが、予想に反して脆くも敗れてしまった。
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