悪熱
おねつ
名詞
標準
fever following a chill
文例 · 用例
あれあれ、とばかりに学士は目も眩れ、心も消え、体に悪熱を感ずるばかり、血を絞って急を告げようとする声は糸より細うして己が耳にも定かならず。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
悪熱のあらむ時三ツの水のいずれをか掬ばんに、わが心地いかならむ。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
全身には悪熱悪寒が絶えず往来する。
— 田山花袋 『一兵卒』 青空文庫
がまん強い父が悪熱にふるえて、腕まで紫色に腫れ上ってしまっても、彼は貝殻の膏薬を貼りちらした。
— 長谷川時雨 『西洋の唐茄子』 青空文庫
悪熱のゑがく夜の幻想ほど絶望的なものはなかつた。
— 坂口安吾 『女体』 青空文庫
夏の悪熱は、私からあらゆる力をはぎ、ものうさと、とがつた感情だけを残す。
— ――平野謙へ・手紙に代へて―― 『戯作者文学論』 青空文庫
春の外套を持たぬのだ、勿論それが第一の理由であらう、しかし又、与里はここ数日以来激しい発熱を訴へて乾いた唇を噛んでゐたから、この種の重い冬の衣裳が、高い悪熱に要求せられた結果でないと言ひ切ることも出来はしない。
— 坂口安吾 『竹藪の家』 青空文庫
夏の悪熱は、私からあらゆる力をはぎ、ものうさと、とがった感情だけを残す。
— ――平野謙へ・手紙に代えて―― 『戯作者文学論』 青空文庫
作例 · 標準
例句