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鋼色

はがねいろ
名詞名詞-の形容詞
1
標準
steel blue
文例 · 用例
鋼色の空には鳥もなく、くすんだ灰色の地には動くものもなく、なによりも、まったく物音がない。
A STUDY IN SCARLET 緋のエチュード 青空文庫
おっかぶさって来るかと見上くれば、目のまわるほど遠のいて見え、遠いと思って見れば、今にも頭を包みそうに近く逼ってる鋼色の沈黙した大空が、際限もない羽をたれたように、同じ暗色の海原に続く所から波がわいて、闇の中をのたうちまろびながら、見渡す限りわめき騒いでいる。
有島武郎 或る女 青空文庫
眠たい水が鋼色にひろがる。
宮本百合子 わが五月 青空文庫
岩むらの羊歯、鴉の声、それから冷たい鋼色の空、――彼の眼に入る限りの風物は、悉く荒涼それ自身であつた。
芥川龍之介 老いたる素戔嗚尊 青空文庫
これは音にきく熱国の蛇使ひであらうか、白い回教徒頭巾を頭にまいた鋼色の男が酒樽の片影に坐を組んで太く節くれて光沢のある笛を吹いてゐる…… わあわあ、余は酔つたんだあ。
――聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話―― 木枯の酒倉から 青空文庫
伸子と素子とが並んで、ネの流れが先ず暗くなって鋼色に変った。
宮本百合子 道標 青空文庫
バルト海からの上げ潮でふくらみはじめたネ※の水の重い鋼色の上を光が走った。
宮本百合子 道標 青空文庫
深まってゆく秋の夜ごとの大地の湿りと、昼間じゅうつよい日光に乾かされている鋼色の樹の葉のかおりがとけあって、落葉ですべりかけたり、踵の低い散歩靴のさきでわざと落葉をかき立てるようにしたりして伸子が歩いてゆく森の小道には、こころよいシャンパンに似た匂いが漂っていた。
宮本百合子 道標 青空文庫
作例 · 標準
冬の荒れた日本海は、まるで鋼色のような冷たく深いグレーを帯びている。
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特注の高級車は、落ち着いた大人の雰囲気を醸し出す鋼色に塗装されていた。
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嵐の前の静けさの中で、空は重苦しい鋼色の雲に覆われていった。
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