黄楊櫛
つげぐし
名詞
標準
文例 · 用例
――見れば、いままで気づかなかったその鏡台の、燃えるような派手な友禅の鏡台掛けが、艶めかしくパッと捲くりあげられたままであり、下の抽斗が半ば引き出されて、その前に黄楊櫛が一本投げ出されているではございませんか。
— 大阪圭吉 『幽霊妻』 青空文庫
思わず立ち上がった私は、鏡台の前へかけよると、屈むようにして、改めてあたりの様子を見廻わしたのでございますが、抽斗の前の畳の上に投げ出された黄楊櫛には、なんと旦那様のお手に握られていたのと全く同じ髪の毛が三、四本、不吉な輪を作って梳き残されておりました……。
— 大阪圭吉 『幽霊妻』 青空文庫
こういう風に挙げてくると、女の黄楊櫛から、さては菓子型の類、庭を掃く棕櫚帚などに至るまで、仕事のよいのを色々と拾うことが出来ます。
— 柳宗悦 『手仕事の日本』 青空文庫
鹿児島は近在が黄楊の木の産地であるため、そこの黄楊櫛は仕事のよさで名があります。
— 柳宗悦 『手仕事の日本』 青空文庫