手人
てひと
名詞
標準
文例 · 用例
しかし下手人は決して分らない。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
そうして翌朝になって銘々の絹帷子を調べ「少しも皺のよらざる女一人有」りそれを下手人と睨むというのがある。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
――塩で釣出せぬ馬蛤のかわりに、太い洋杖でかッぽじった、杖は夏帽の奴の持ものでしゅが、下手人は旅籠屋の番頭め、這奴、女ばらへ、お歯向きに、金歯を見せて不埒を働く。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
藤吉だって悪い人間じゃあない、根は正直者なんですから、たとい粗相とは云いながら相手を殺した以上は、自分も下手人に取られなければならない。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
「それが心中の片相手ならば下手人にもなりますが、女は自分ひとりで死んだんですから、男は別に構ったことはありません。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
下手人も分明次第に召し捕ってくれというのである。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
「それがむずかしいので、私もさっきから考えているのですが、なにしろ下手人はお節じゃあありますまいね。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
こう煎じ詰めてくると男と女とが共謀か、それとも男ひとりの料簡か、どっちにしてもその下手人はかの定次郎らしく思われるのが、誰の眼にも映る暗い影であった。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫