蘭書
らんしょ
名詞
標準
文例 · 用例
続いてソラヌスの「使者神指杖」をはじめ、ウルブリッジ、ロスリン、ロンドレイ等の中世医書から、バーコー、アルノウ、アグリッパ等の記号語使用の錬金薬学書、本邦では、永田|知足斎、杉田玄伯、南陽原等の蘭書釈刻をはじめ、古代支那では、隋の「経籍志」、「玉房指要」、「蝦蟇図経」、「仙経」等の房術書医方。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
真の蘭学者は和漢の学力を以て蘭書に臨まなくてはならぬと云つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
素とフウフェランドは蘭訳の書を先輩の日本訳の書に引き較べて見たのであるが、新しい蘭書を得ることが容易くなかったのと、多くの障碍を凌いで横文の書を読もうとする程の気力がなかったのとの為めに、昔読み馴れた書でない洋書を読むことを、翁は面倒がって、とうとう翻訳書ばかり見るようになったのである。
— 森鴎外 『カズイスチカ』 青空文庫
伊東胡蝶園の祖父伊東玄朴は蘭書の蒐集家として聞えてゐたが、数多いその書物のなかで、唯一つだけ風呂敷包みにして、その上に封印までして、何うしても他人に見せなかつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
二 玄白が、蘭書ターヘルアナトミアを手に入れたのは、それから五日とは経たない頃だった。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫
彼が蘭語を学びたく思ったのも、それによって療術方薬に関する蘭書を読破したいためであった。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫
蘭書の絵図と、寸分の違いもござらぬ。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫
実は、拙者も年来蘭書読みたき宿題でござったが、志を同じゅうする良友もなく、慨き思うのみにて、日を過してござる。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫