萍
萍
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、見かけほど悲劇的な性格もなく、どこかのん気で愚なところがあつて、情操的にものを突き詰めては考へられなく、萍の浮いたところがあつた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
蝶子さんを見ると、流れに任せてなよ/\と、どこの岸にでも漂い寄って咲ける萍の花の自然の美しさを感じずにはいられない。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
雲萍雑誌には「西国方に風鎌というものあり」としてある。
— 寺田寅彦 『化け物の進化』 青空文庫
墓は皆暗かった、土地は高いのに、じめじめと、落葉も払わず、苔は萍のようであった。
— 泉鏡花 『瓜の涙』 青空文庫
朱荷曲池のあと、緑萍蒼苔深く封して、寒蛩喞々たり、螢流二三點。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
閑けさよ、三宝寺池、昼|闌けし日ざしに枯れ枯れの葦、片明る菱、浮萍。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
柳里恭の「雲萍雑志」のうちに、こんな話がある。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
これは主として長田秋濤君の斡旋で成立したらしく、西園寺侯を主賓として、福地桜痴、末松青萍、尾崎紅葉、高山樗牛の四氏、ほかに松居君と榎本虎彦君とわたしの三人が加えられた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫