犬侍
いぬざむらい
名詞
標準
cowardly or depraved samurai
文例 · 用例
「誓言を反古にする犬侍め」と甚五郎がののしると、蜂谷は怒って刀を抜こうとした。
— 森鴎外 『佐橋甚五郎』 青空文庫
さればこそ、武士はもとより、町人百姓まで、犬侍の禄盗人のと悪口を申して居るようでございます。
— 芥川龍之介 『或日の大石内蔵助』 青空文庫
……やア野郎ども犬侍を叩っ殺せ!
— 国枝史郎 『血曼陀羅紙帳武士』 青空文庫
降伏の引出物に、敵将の妻を一夜貸せなどと、見下げ果てた犬侍だ。
— ――市川猿之助氏のために―― 『若き日の成吉思汗』 青空文庫
三十二年七月に名古屋東山動物園で鹿五頭が野犬に噛み殺されたと新聞にでていたが、昔奈良春日神社の鹿が犬に殺されないようにと犬追い棒というものを持った侍が鹿に近寄る犬を追い払っていて、この人を犬侍といったとは『鹿政談』という落語にでてくる咄である。
— 三代目 三遊亭金馬 『犬』 青空文庫
」「な、なにッ」「お祖父さま(信玄)の時代より、武田家の禄を食みながら、徳川軍へ内通したばかりか、甲府攻めの手引きして、主家にあだなした犬侍。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
いったいどこへまいる気だ」「知りませぬ、わたしは、ひとりで好きに歩いているのですから」「だまれ、五湖へあんないいたすともうしたのではないか」「だれが、穴山さまのような、けがらわしい犬侍のあんないになど立ちましょうか」「おのれ、さては野盗の手引きか」「いいえ、ちがいます」「吐かすなッ。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
よしやどれほどの宝を捧げてこようと、なんで汝らごとき犬侍のくされ扶持をうけようか、たいがいこんなことであろうと、汝の逃足へ遠矢を射たのはかくもうすそれがしなのだ」「げッ、さてはおのれも」 絶望、驚愕、憤怒!
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
作例 · 標準
「臆病風に吹かれたか、この犬侍め!」と、大将は震える若武者を一喝した。
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主君を裏切り、私腹を肥やすその男は、仲間たちから犬侍と蔑まれていた。
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彼は自らを卑下して「拙者など、犬侍の部類でござる」と言った。
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