形付け
かたちづけ
名詞
標準
文例 · 用例
お酌を致しませう」 件の騒動にて四辺の狼藉たるを、彼は効々しく取形付けてゐたりしが、二人はやがて入来るを見て、「風早さん、どうもお蔭様で助りました、然し飛んだ御迷惑様で。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
なおその方共は身共の下知に従って、隠れたる金銀を探し出し、身共の差図通りに取形付けを致すならば、今日持って参いった賭博の資金は各自に相違なく返し遣わすのみならず、賃銀は望みに任するであろう。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
「だが、現場は離れた蔵だのに、足形付けずにどうして間を――。
— 三つの足跡 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
例へば澤山な子持の青白い屑屋の女房は寒い吹き晒らしの日蔭の土間で家中にぶちまけられた襤褸やがらくたを日がな一日吟味し形付ける。
— 千家元麿 『自分は見た』 青空文庫
」 と、さも気の毒そうな顔をして、黄色い声で、口先で世辞とも何とも付かぬことを言いながら追立てるように、其処等のものを片端からさっ/\と形付け始めた。
— 近松秋江 『別れたる妻に送る手紙』 青空文庫
私は、落ちるように机の前に尻を置いて、「ほうッ」と、一つ太息を吐いて、見るともなく眼を遣ると、もう幾日も/\形付けをせぬ机の上は、塵埃だらけな種々なものが、重なり放題重なって、何処から手の付けようもない。
— 近松秋江 『別れたる妻に送る手紙』 青空文庫
ひと口にいいますと、ボクさんの星の世界への憧憬は、かんたんに敏感のせいだと形付けてしまえないようなところがあるように思われ出してきたのです。
— 月光曲 『キャラコさん』 青空文庫
身体は理知によって形付けられていた。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫