赤褌
あかふんどし
名詞
標準
文例 · 用例
唯人の頭も、顔も、黒く塗りて、肩より胸、背、下腹のあたりまで、墨もていやが上に濃く塗りこくり、赤褌襠着けたる臀、脛、足、踵、これをば朱を以て真赤に色染めたるおなじ扮装の壮佼たち、幾百人か。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
『今昔物語』二十の七に、染殿后を犯した婬鬼赤褌を著けて腰に槌を差したと記す。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
本邦にも善相公と同臥した侍童の頭を疫鬼に槌で打たれ病み出し、染殿后を犯した鬼が赤褌に槌をさしいたといい、支那の区純ちゅう人は槌で鼠を打ったという(一八六九年板、トザーの『土耳其高地探究記』二巻三三〇頁。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
派手な浴衣の赤褌に、黄色い手拭の向う鉢巻がノスタレのオーム・シッコでウンウン云ってるんですから世話ありやせんや……。
— 夢の久作(夢野久作) 『人間腸詰』 青空文庫
禿頭の親爺がピンピンして頑張っておりましたので……その親父が引いてくれた魚類の荷籠に天秤棒を突込んで、母親が洗濯してくれた袢纏一枚、草鞋一足、赤褌一本で、雨風を蹴破ってワアッと飛出します。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
中にも赤褌一貫で、腕へ桃の刺青をした村一番の逞ましいのが、真先に上り框に立って来て呶鳴った。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
大きい方の児は、すぐに網干場に駈け込んで、そこに突立っている赤褌の、桃の刺青をした男に縋り付いた。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
赤褌一つのモイ族が、二三羽のインコを籠に入れて、遊歩道で売つてゐたのを、富岡は思ひ出した。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫