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甲斐甲斐しい

かいがいしい
形容詞
1
標準
brisk and efficient
文例 · 用例
箱根ホテルでは勘定をもって来てくれと四、五度も頼んで待ち草臥れた頃にやっと持って来たのであったが、熱海ホテルの方ではまだお茶を飲んでいる最中に甲斐甲斐しい女給仕が横書きの勘定書をもって来て、「サービス三十銭頂戴します」と云った。
寺田寅彦 箱根熱海バス紀行 青空文庫
満更の容色ではないが、紺の筒袖の上被衣を、浅葱の紐で胸高にちょっと留めた甲斐甲斐しい女房ぶり。
泉鏡花 国貞えがく 青空文庫
」 と婀娜たる声、障子を開けて顔を出した、水色の唐縮緬を引裂いたままの襷、玉のような腕もあらわに、蜘蛛の囲を絞った浴衣、帯は占めず、細紐の態で裾を端折って、布の純白なのを、短かく脛に掛けて甲斐甲斐しい
泉鏡花 三尺角 青空文庫
頭には昔ながらの小さい髷を乗せて、小柄ではあるが、色白の小粋な男で、手甲脚袢の甲斐甲斐しい扮装をして、肩にはおでんの荷を担ぎ、手には渋団扇を持って、おでんやおでんやと呼んで来る。
岡本綺堂 思い出草 青空文庫
今まで肥柄杓一つ持った事のない一知が、女のように首の附根まで手拭で包んだ、手甲脚絆の甲斐甲斐しい姿で、下手糞ながら一生懸命に牛の尻を追い、鍬を振廻して行く後から、薄白痴のマユミが一心不乱に土の上を這いまわって行くのを、村の人々は一つの大きな驚異として見ない訳に行かなかった。
夢野久作 巡査辞職 青空文庫
僕も、あの額縁の画についての夫婦の相談や、この長火鉢の位置についての争論を思いやって、やはり生活のあらたまった折の甲斐甲斐しいいきごみを感じたわけであった。
太宰治 彼は昔の彼ならず 青空文庫
N君は私に、工場で働いてゐる彼の甲斐甲斐しい姿を見せたいのに違ひない。
太宰治 津軽 青空文庫
それから晩餐の支度の光景やら、食卓を囲んで一同が何やら相談してゐるところやら、あまり忙しいので客達も甲斐甲斐しいいでたちになつて彼等の仕事を手伝つたり、終ひには皆が打ちそろつて、向方に例の地引網が始つてゐるのを目がけて砂浜を駆けて行くところなどが写りました。
牧野信一 サンニー・サイド・ハウス 青空文庫
作例 · 標準
共働きの両親に代わり、祖母が台所で甲斐甲斐しく立ち働いて夕食の支度をしている姿が目に浮かぶ。
若手の看護師が、入院患者一人ひとりの要望を聞きながら甲斐甲斐しく世話を焼いている様子は、周囲に安心感を与える。
新築の家で、引越しの片付けを甲斐甲斐しくこなす彼女の姿を見て、ようやく新しい生活が始まるのだと実感が湧いた。
「いつも甲斐甲斐しく動いてくれて助かるよ」と上司に声をかけられ、秘書の彼は少し照れくさそうに微笑んだ。
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