塗炭
とたん
名詞頻度ランク #8685 · 青空 69 例
標準
misery
文例 · 用例
夜具を入れたのを引背負ったは、民が塗炭に苦んだ、戦国時代の駆落めく。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
四万々生霊を水火|塗炭の中に救はんのみ。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
* 足利八代将軍義政は、政治に心を用ゐず、奢侈に耽り、土木を起し、課税を重くし、度々徳政の令を発したので、人民は塗炭の苦しみに陥入り、極度に頽廃的となつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
向うへ口を開けるために、了海様は塗炭の苦しみをなさっているのじゃ」と、石工が答えた。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
如此ニシテ数十万生霊[ヲ塗炭ニ→ノ死命ヲ]救ヒ[+居住相続ノ基ヘヲ回復シ]其人口ノ減耗ヲ防遏シ、且ツ我日本帝国憲法及ビ法律ヲ正当ニ実行シテ各其権利ヲ保持セシメ、更ニ将来国家[−富強]ノ基礎タル無量ノ勢力及ビ富財ノ損失ヲ[予防→断絶]スルヲ得ベケンナリ。
— 田中正造 『直訴状』 青空文庫
噫、為政の局に当れる有司ハ間牒を放ちて無辜の人民を塗炭の苦に陥れ、隣村の人民ハ自ら起て暴言の汚辱に甘んじ風雨の苦難を凌ぎ以て隣人相愛の事に努力せり。
— 田中正造 『非常歎願書』 青空文庫
この間揚州の住民は、文字通りに塗炭の苦を受け、魚肉の厄に罹つた。
— 桑原隲藏 『支那人間に於ける食人肉の風習』 青空文庫
千七百七十年代、亜米利加騒乱ノ時ニ、亜人ハ自由ノ為メニ戦フト云ヒ、我ニ自由ヲ与フル歟、否ザレバ死ヲ与ヘヨト唱ヘシモ、英国ノ暴政ニ苦シムノ余、民ヲ塗炭ニ救ヒ、一国ヲ不覊独立ノ自由ニセント死ヲ以テ誓ヒシコトナリ。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫