釘隠し
くぎかくし
名詞
標準
文例 · 用例
一、その方屋敷内の儀、格別の美麗を尽くし、衣食並びに翫木石に至るまでも、天下比類なき結構にて、居間|長押釘隠し等は、金銀無垢にて作り、これは銀座の者どもより、賄賂として取り候ものの由、不届き至極。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
ある人|咸陽宮の釘かくしなりとて持てるを蕪村は誹りて「なかなかに咸陽宮の釘隠しと云わずばめでたきものなるを無念のことにおぼゆ」といえり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
蕪村かつて大高源吾より伝わる高麗の茶碗というをもらいたるを、それも咸陽宮の釘隠しの類なりとて人にやりしことあり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
ある人|咸陽宮の釘かくしなりとて持てるを蕪村は誹りて「なかなかに咸陽宮の釘隠しといはずばめでたきものなるを無念の事におぼゆ」といへり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
蕪村かつて大高源吾より伝はる高麗の茶碗といふをもらひたるを、それも咸陽宮の釘隠しの類なりとて人にやりし事あり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
金の釘隠しがにぶく光って、杉の一枚戸に松を描いたのが、ズラリと並んでいる。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
秋草を描いた襖が廻り舞台のように動き出す、襖の引手が口をあく、柱の釘隠しが眼をむく。
— 東海道の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
格天井を金泥で塗りつぶし、承塵造りの塗ガマチに赤銅|七子の釘隠しを打ちつけた、五十畳のぜいたくな大広間の正面に金屏風を引きまわし、阿蘭陀渡りの大毛氈を敷きつめ、左右の大花瓶には天井へとどくばかりの大木のような松をさしこんで、これに一羽ずつ本物の生きた鶴をとまらせる。
— 金鳳釵 『顎十郎捕物帳』 青空文庫