鎚音
鎚音
名詞
標準
文例 · 用例
川向うの山腹の停車場で、鎚音高く石を割って居る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
川向ふの山腹の停車場で、鎚音高く石を割つて居る。
— 徳冨蘆花 『熊の足跡』 青空文庫
兄弟の合す鎚音は、御先祖様の御座らっしゃる土の下まで響いて行こうぞ。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
故あって、自分のみは、刀鍛冶を断念して、大石村の郷士庄屋|長岡家へ、養子に行ってしまったものの――今も、母の訓えは、心にある、兄の鎚音は、耳にある。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
あの鎚音でござるか』 と、微笑をうかべた。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
――同時に、物置小屋の鍛刀所では、何かにつけて不便なので、清音の屋敷から遠くない、四谷北伊賀町に一軒借りうけ、そこで、彼が江戸に於ける第一声の鎚音を、初めて、揚げることとなった。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
然し、その名声を慕って、四谷北伊賀町の彼の仕事場を訪ねて行っても、鎚音のしない日は、見つけ出せないほどそこは小かな家だった。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
だが、その年も暮れて、待つに長い山上の春がやっと訪れ初めた翌年の三月初めの頃、智深はぽかんと麓の空を眺めやっていたが、そのうちにふと、トンカン、トンカン、鍛冶屋の鎚音が風にのって聞えてきた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫