葬法
そうほう
名詞
標準
文例 · 用例
其れにしても不経済と不衛生とを兼ねた野蛮な埋葬法である。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
常世に対して「根の国底の国」を考へ、其を地下那落にあるものと見る事になつたのは、葬法の変化からも来てゐるが、主としては常世と区別する為であり、又常世を浄化して天上に移す様になつてからの事である。
— 折口信夫 『「とこよ」と「まれびと」と』 青空文庫
そしてその葬法が仏法とともに我が国に伝わって、入唐求法の道照和尚によって始めて実行されたということは、まさにしかるべき出来事である。
— 焼屍・洗骨・散骨の風俗 『火葬と大蔵』 青空文庫
或いはこれが大宝当時のままの文であっても、その令の出来たのは道照火葬の翌年であるから、この始末のよい葬法を早速法令上に応用したのだと言うかもしれぬ。
— 焼屍・洗骨・散骨の風俗 『火葬と大蔵』 青空文庫
しかしそれ迄に屍を焼くという風習が少しもなかったものならば、いかにそれが便宜な葬法だからと云っても、どうで火葬のことだから、燎原の火の如く火急に広がったものであろうなどと、洒落て済ますべきものではない。
— 焼屍・洗骨・散骨の風俗 『火葬と大蔵』 青空文庫
我が国においてもまたかくの如きの葬法の古く行われたことは、古墳の実地から往々証明せられるのである。
— 焼屍・洗骨・散骨の風俗 『火葬と大蔵』 青空文庫
出雲の大社の国造神主が死ぬと、直ちに死骸を赤めの牛の背に縛りつけ、菱根の池へ沈める葬法は、かなり後世まで行われていたようであるが、これなどは或いは原始期の屍体投棄の習俗を残したものとも考えられるのである。
— 中山太郎 『本朝変態葬礼史』 青空文庫
それが農耕期に入り住所が固定し、邑落として社会的生活を営むようになって来ると、宗教意識も発達し祖先崇拝の道徳も称導され、さらに肉体は腐朽するも霊魂は存在すると云う、即ち霊肉を二元的に観るようになって、ここに始めて屍体を保存する必要が起り、従ってこれに伴う種々なる葬法が発明されるに至ったのである。
— 中山太郎 『本朝変態葬礼史』 青空文庫