藪鶯
やぶうぐいす
名詞
標準
文例 · 用例
藪には今|藪鶯がささやかな声に鳴いてる。
— 伊藤左千夫 『隣の嫁』 青空文庫
三月十五日うれしい藪鶯が鳴く。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
藪鶯がしきりに啼く、だん/\晴れてくる。
— 種田山頭火 『道中記』 青空文庫
あたりには人気がなく、飼い鶯の啼く声が、藪鶯であろう高塀の向こうに、起伏している高原の方から、ひっきりなしに聞こえて来るのへ、合わせているのが聞こえて来た。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
―― 今、若葉照りの彼方から聞えて来るその声は、私に、八月頃深い山路で耳にする藪鶯の響を思い出させた。
— 宮本百合子 『木蔭の椽』 青空文庫
その時、川瀬の音を縫い乍ら、静かに聞えた藪鶯のホーホケキョ。
— 宮本百合子 『木蔭の椽』 青空文庫
庭へ来て交るむ雀のあわたゞしさや手近い墓地に鳴き交わす雀共の賑わしさの中に藪鶯が美しい音尻を引いては鳴くのである。
— 富田木歩 『小さな旅』 青空文庫
私はまた別に、宇和島人の土居藪鶯氏は兼て知り合いで、これもその頃から俳句を始めたと聞いたので、この人の在勤している、横浜へも行って共に句作し、そこの宗匠に見てもらう事もしたけれどもまだ何らの標準も立たず月並的の句も作るので、子規氏が松山から帰って来ても余り取ってくれない。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫