背負い
せおい
名詞
標準
文例 · 用例
だが、それにしては、大山は過去を大風呂敷に一抔入れて、背負い込んでいた。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
が、過去という大風呂敷は、瘤みたいに同じ皮膚の下に背負い込んでいる。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
いい加減なものであるから、それを取り上げるのはどうかと思うけれども、志賀という個人に対してでなく、そういう言葉に対して、少し言い返したいのである)作品の最後の一行に於て読者に背負い投げを食わせるのは、あまりいい味のものでもなかろう。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
その夜、十時すぎ、私は中野の店をおいとまして、坊やを背負い、小金井の私たちの家にかえりました。
— 太宰治 『ヴィヨンの妻』 青空文庫
小使と私と二人口でさえ、今の月謝の収入じゃ苦しい処へ、貴女方親子を背負い込むんだ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
三の烏 成程な、罪も報も人間同士が背負いっこ、被りっこをするわけだ。
— 泉鏡花 『紅玉』 青空文庫
小宮山は慄然として、雨の中にそのまま立停って、待てよ、あるいはこりゃ託って来たのかも知れぬと、悚然としましたが、何しろ、自宅へ背負い込んでは妙ならずと、直ぐに歩を転じて、本郷元町へ参りました。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
兄が自分で取りに来たら、そうしたら、俺はいくらでも背負わさせてやるんだが、やっぱり東京の役所の課長ともなれば、米を背負いに来るわけにもいかんらしいな。
— 太宰治 『親友交歓』 青空文庫