宝の持ち腐れ
たからのもちぐされ
表現名詞
標準
pearls thrown before swine
文例 · 用例
余裕のあることはまことに結構であるが、一生余裕の貯えだけで発揮せずに宝の持ち腐れで終わることはどうであろうか。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
天性の麗質も、それを更にいろいろな方法で磨かなければ、ほんとうの意味で人間としての魅力にはならないので、もしそれだけで満足するようなことがあれば、天性の麗質は宝の持ち腐れとなるばかりでなく、そういう俳優の末路は、むしろ一段と不幸なのです。
— 岸田國士 『俳優倫理』 青空文庫
然るに峠は全く対人的関係にあるので、たとえ其箇所が峠たるに適した資格を完全に具えているにしても、人が通って呉れなければ、宝の持ち腐れも同様で、はれて峠と名乗ることを得ないのである。
— 木暮理太郎 『峠』 青空文庫
鋭敏な嗅覚も風上にいては宝の持ち腐れも同様であろう。
— 木暮理太郎 『鹿の印象』 青空文庫
これはとんでもない宝の持ち腐れ。
— 正岡容 『初看板』 青空文庫
洋服の人は水分の欠乏から快速を誇る膝栗毛も、宝の持ち腐れという形だ。
— 木暮理太郎 『奥秩父の山旅日記』 青空文庫
玉を抱いて罪ありと云う古語があるそうだが、これは桐を生やして銭なしと云ってもしかるべきもので、いわゆる宝の持ち腐れである。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
東風君なぞはすでに鴛鴦歌と云う一大長篇を作って、三箇月|前から待ってるんだが、寒月君が博士にならないばかりで、せっかくの傑作も宝の持ち腐れになりそうで心配でたまらないそうだ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫