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雨催い

あまもよい
名詞
1
標準
文例 · 用例
それはたった今のことだと云うので、孤芳の番人を亀吉に云いつけて、わたくしと幸次郎は近所へ見まわりに出ましたが、今夜は雨催いの暗い晩で、そこらに二人のすがたは見付からない。
正雪の絵馬 半七捕物帳 青空文庫
暗い雲の垂れ下った雨催いの宵であった。
徳田秋声 青空文庫
雨催いの空は低く垂れて、生あたたかい風が吹く。
白蝶怪 半七捕物帳 青空文庫
それは雨催いの暗い夜であった。
田中貢太郎 蟹の怪 青空文庫
雨催いのはっきりしない日である。
一九二一年(大正十年) 日記 青空文庫
季節からいえば、もう隅田川は涼み舟で賑わうじぶんなのに、雨催いといい、肌寒いほどの陽気なので、それらしい舟は一|艘もみえず、河岸の家々の燈火も、どうかすると本当に秋のような思いをそそった。
山本周五郎 新潮記 青空文庫
来栖を訪ねようかと思ったがまず国老に会うべきだと考え直して、裏道伝いに津田邸へ向った……まだ宵の八時頃であったが、雨催いの闇夜で、忍ぶには屈竟である。
山本周五郎 夜明けの辻 青空文庫
午後から雨催いの空を気遣い乍ら土堤に沿って下り、沖の弁天社から堀、江川、猫実と歩き廻った、川や堀では子供達が鮒を掬っていた、河では沙魚を釣る人が並んでいた、稲は熟れ、田畝には海苔乾架が造られつつある、心愉しくひと廻りして来た、お名残りである。
――吾が生活 し・さ 青べか日記 青空文庫