碓氷峠
うすいとうげ
名詞
標準
Usui Pass
文例 · 用例
その層の一番どん底を潜って喘ぎ喘ぎ北進する汽車が横川駅を通過して碓氷峠の第一トンネルにかかるころには、もうこの異常高温層の表面近く浮かみ上がって、乗客はそろそろ海抜五百メートルの空気を皮膚に鼻にまた唇に感じはじめる。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
頃日聞く――當時、唯一の交通機關、江戸三度と稱へた加賀藩の飛脚の規定は、高岡、富山、泊、親不知、五智、高田、長野、碓氷峠を越えて、松井田、高崎、江戸の板橋まで下街道、百二十里半――丁數四千三十八を、早飛脚は滿五日、冬の短日に於てさへこれに加ふること僅に一日二時であつた。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
上野の汽車最後の停車場に達すれば、碓氷峠の馬車に搖られ、再び汽車にて直江津に達し、海路一文字に伏木に至れば、腕車十|錢富山に赴き、四十物町を通り拔けて、町盡の杜を潛らば、洋々たる大河と共に漠々たる原野を見む。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
碓氷峠にさしかかっている。
— 織田作之助 『秋の暈』 青空文庫
や、これは話が横道に逸れてしまいましたが、砕けたところでは、碓氷峠の権現さまよ、わしがためには守り神送りましょかよ送られましょか、せめて峠の茶屋までもというようなものになっています。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
わたしも親父と一緒に横川で汽車を下りて、碓氷峠の旧道をがた馬車にゆられながら登って下りて、荒涼たる軽井沢の宿に着いたときには、実に心細いくらい寂しかったものです。
— 岡本綺堂 『木曽の旅人』 青空文庫
鼠はそれぎり姿を見せませんので、どこかの縁の下へでも巣を食ってしまったものと思っていますと、旦那さまと御一緒に江戸へ帰る途中、碓氷峠をくだって坂本の宿に泊りますと、その晩、どこから付いて来たのか、その鼠がわたくしの袂のなかにはいっているのを見つけて、実にびっくり致しました。
— 岡本綺堂 『鼠』 青空文庫
碓氷峠を下って関東平野にかかると今さらに景色の相違が目に立つ。
— 寺田寅彦 『軽井沢』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア
碓氷峠(うすいとうげ)は、群馬県安中市松井田町坂本と長野県北佐久郡軽井沢町の境界にある峠である。標高は956メートル(m)。信濃川水系と利根川水系とを分ける中央分水嶺である。峠の群馬県側に降った雨は太平洋へ流れ、長野県側に降った雨は日本海へ流れる。
出典: 碓氷峠 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0