細眉
ほそまゆ
名詞
標準
文例 · 用例
―― もっとも河野は、綺麗に細眉にしていたが、剃りづけませぬよう、と父様の命令で、近頃太くしているので、毛虫ではない、臥蚕である。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
瞬く間に翼を組んで、黒点|先刻よりも稍大きく、二つが一つになつて、衝と、細眉に留まると、忽ちほぐれて、びく/\と、ずり退いたが、入交つたやうに覚えて、頬の上で再び一ツ一ツに分れた。
— 泉鏡花 『蠅を憎む記』 青空文庫
眼ざしは分らなかッた、――始終下目のみ使っていたからで、シカシその代り秀でた細眉と長い睫毛とは明かに見られた。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
痛んで痛んで、いまにも耳が千切れそうでございます」 と女は、武士の妻としては仇めきすぎて見える、細眉の、くくり頤の顔をしかめ、身悶えした。
— 国枝史郎 『猿ヶ京片耳伝説』 青空文庫
細眉や、こき前髪や、まろき頬や、姉によう似る我なれば、春ひねもすを小机の、はしに肘して人おもふ御病さへも得つと申さむ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫