打ち払い
うちはらい
名詞
標準
文例 · 用例
武蔵、木太刀を捨てて塵打ち払い、悠然と立ち出でんとする。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
市中荷物を片づけ、年寄り、子供、遊女ども、在郷へ逃げ行き、若者は御役申し付けられ、浪人武士数十人異船へ乗り込みいよいよ打ち払いの由に相成り候。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
しかし他の異国船五、六艘も登り候うわさもこれあり、今後瀬戸通路つかまつり候えば皆々打ち払いに相成る様子、委細は後便にて申し上ぐべく候。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
加うるに、薩州長州においては夷船打ち払い等これあり、公辺においてもいよいよ攘夷御決定との趣にも相聞こえ、内乱|外寇何時相発し候儀も計りがたき時節に候。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
鳥が鳴く、東の国に行き向い、千々の心を、尽しつつ荒びなす、醜の醜臣打ち払い、功業立てなむ真心は、霞と共に大空に立渡りける「よう、よう」 と一人が、叫んだ時、君不見、方今天下転変の状内外上下|都失倫「ちぇすとうっ」「舞うぞ」 と、叫んで、有村が、影の閃く如く、座の真中へ出た。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
へ、僕は眠いんですよ」 二 広々としたロビーのソファーに横になって鼾の音も高く、優に四五時間も心ゆくままに眠りをとった玄竜は、洋服の埃を打ち払いつつぼそぼそ起き上った。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
向かいの家の軒下へ人目立たぬように身をひそめ、冠った手拭いの結びを締め、ビューッと吹き来る師走の風に煽られて掛かる粉雪を、袖で打ち払い打ち払いじっと門内を隙かして見たが、松の前栽に隠されて玄関さえも見えなかった。
— 国枝史郎 『北斎と幽霊』 青空文庫
すなわち、部下の兵を率い、沿道の悪者打ち払い、加賀までお供致すでござろう。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫