憎さ
にくさ
名詞
標準
hatefulness
文例 · 用例
河原に冬の枯草もえ重たき石を運ぶ囚人等みな憎さげに我れを見て過ぎ行けり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
しかし僕はその平明な境地の自由さに、心憎さも、そして幾分の不滿も持つてゐることを表明したい。
— 梶井基次郎 『淺見淵君に就いて』 青空文庫
その僕からかの平明な坦懷な淺見君の作風に接するとき、僕に起る氣持が、心憎さと同時にある種の齒痒ゆさであることは、淺見君にも了解して貰へることだらうと思ふ。
— 梶井基次郎 『淺見淵君に就いて』 青空文庫
」近所の人々は口々に、憎さげに云った。
— 黒島伝治 『「紋」』 青空文庫
和尚がT「此処には居なくとも御仏の御力を借りて拙僧が」T「必ッとその御方を貴女の眼の前へ御連れします」 おふみ、 「馬鹿々々しい」T「お生憎さま、妾の想ってる御方ァね、和尚さん」T「仏さまが鯱立ちして力んだって、こんなケチなお寺へは来っこないの」 と云い捨てて、廊下へ出ようとする。
— 山中貞雄 『右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法』 青空文庫
ある瞬間には彼が非常な言い憎さを押し隠して言っているように見え、ある瞬間にはいかにも平気に言っているように見えた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
遁ぐるが遠くには去らず、いつもおなじほどのあわいを置きてはキラキラとささやかなる羽ばたきして、鷹揚にその二すじの細き髯を上下にわづくりておし動かすぞいと憎さげなりける。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
さるにてもなおものありげにわが顔をみつつ行くが、冷かに嘲るがごとく憎さげなるぞ腹立しき。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
作例 · 標準
裏切られたショックよりも、相手に対する憎さが込み上げてきて夜も眠れなかった。
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可愛さ余って憎さ百倍という言葉通り、かつての親友を今は許すことができない。
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自分の不甲斐なさに対する憎さが、逆に次の試合への強いモチベーションになった。
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