藩公
はんこう
名詞
標準
文例 · 用例
家を継ぐべき養子として、当時十八歳の父が迎えられる事になったが、江戸詰めの藩公の許可を得るために往復二か月を要した。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
藩兵になって日比谷の藩公邸の長屋にいた時分の話なども、なんべん同じ事を聞かされても、そのたびに新しいおもしろみとおかしみを感じさせた。
— 寺田寅彦 『亮の追憶』 青空文庫
風貌の秀でた藩公の銅像の立っている公園をも散歩した。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
高杉晋作は、「新論」を読むと、すぐ藩公の世子に献上してゐるし、真木和泉は、「新論」を読むや、矢も楯もたまらず、水戸へ出掛けて、会沢門下に加はつてゐる。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
だがあのなかには藩公に関係した秘密の手紙が交つてるから、あれだけは返して貰はなくつちや。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
「なに、おとのさま」「二十人も三十人も馬に乗って、氏神様のお神行のようじゃ」「藩公が来られたか」「はんこうか、鮟鱇か知らんが、高知の城下から来たそうじゃ」「真箇か。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
去年の大試合に拝領した藩公の賞美刀、波の平行安の斬味見たさもあった。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
着くと直ぐに藩公へお眼通りして使命を果し、カタの如く面目を施した。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫