敷物
しきもの
名詞
標準
文例 · 用例
今度のノーベル・プライズのために不意打ちをくらった世間が例のように無遠慮に無作法にあのボーアの静かな別墅を襲撃して、カメラを向けたり、書斎の敷物をマグネシウムの灰で汚したり、美しい芝生を踏み暴したりして、たとえ一時なりともこの有為な頭の安静をかき乱すような事がありはしないかというような気がする。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
私は宴のなかばを抜けて夜の孟買の街を英国の煙管から吐き出される煙で曇らすのだが、印度人の象使いが象の背に古代神の敷物を敷いて外人の子供を乗せて円のなかを大声で叫びながら引張りまわしているのを見ているうちに、アダのことを忘れてしまった。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
と、數人の警察官に取りかこまれた一つの安樂椅子、その上に顏の上半を打ち碎かれて血みどろになつた男爵のでつぷりした體が横たはり、椅子にも高價な敷物にも血が流れてゐた。
— ――スウェーデンの殺人鬼―― 『死の接吻』 青空文庫
そして、赤帽の敷いてくれた敷物の上にオペラパツクとパラソルを無造作に投げ出すと、腰掛けようともせずに手袋をぬぎにかかつた。
— 南部修太郎 『女盗』 青空文庫
女はその赤帽のうしろ姿を流し眼に見送ると、しどけなく敷物の上に腰を降ろした。
— 南部修太郎 『女盗』 青空文庫
そして、妙に底光りのする眼でまた車内を一わたり見廻したが、ふと我に返つたやうにパラソルを腰掛の奥に、鞄を右脇に置き換へて、草履を揃へながら敷物の上に坐り込んだ。
— 南部修太郎 『女盗』 青空文庫
」「は、その娘の舞が、甥の奴の俤ゆえに、遠慮した、では私も、」 と言った時、左右へ、敷物を斉しく刎ねた。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
だまってその譜を聞いていると、そこらにいちめん黄いろや、うすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまっ白な蝋のような露が太陽の面をかすめて行くように思われました。
— 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』 青空文庫
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敷物(しきもの)は、物の下に敷くものの総称。本項目では床敷物 を中心に記述する。
出典: 敷物 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0