雑作
ぞうさ
名詞
標準
文例 · 用例
ただ味いの無い佳作という事は容易に想定が出来ないに反し潤いの感じは無くても、佳作はあり得ると無雑作に考えられる。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
予の最も好きな淡雅な味いと情調の潤いとが、無雑作な自然な語句の上に現われて居るのである。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
「グランドに無雑作につまれた材木 ――小猫と土橋が話をしてゐた 黄色い圧力!
— 中原中也 『分らないもの』 青空文庫
菊岡久利の詩が、記憶を可なり無雑作に書き付けてゐる場合にも、猶一貫した流れを見せる所以のものは、彼のその克己が、彼の遠近法を乱すことがないからである。
— 中原中也 『菊岡久利著「貧時交」』 青空文庫
けれども、私は直治の言うような高等御乞食なのだから、お母さまのようにあんなに軽く無雑作にスプウンをあやつる事が出来ず、仕方なく、あきらめて、お皿の上にうつむき、所謂正式礼法どおりの陰気ないただき方をしているのである。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
」と無雑作に答えたが、越後も、ちょっと、あなどりがたい事を言うと思った。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
」と君は受取り、無雑作に花を挿して、「これは後で、竹さんにでも挿し直していただくんだな。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
ひどく無雑作にさらさらと書き流して、少し笑つて私たちに見せて下さるのですが、それがすべてびつくりする程のあざやかなお歌なので、私たちは、なんだか、からかはれてゐるやうな妙な気持になつたものでございます。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫