蝕
しょく
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、いまし我の輝やく金屬の手に注げ、手は疾患し、醋蝕し、するどくいたみ針の如くになりて、觸るるところ、この酒盃をやぶり汝のくちびるをやぶるところの手だ。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
今宵、あふぎて見るものは天井の蜂巣蝋燭、伏して見るものは女人淫行の指、皿、魚肉、雲雀、酒盃、而して我が疾患蝕金の掌と、輝やく氷雪の飾卓晶峯とあり。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
手は酸蝕されたる石英の如くにして傷みもつとも烈しくなる。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
危險なる新光線疾患せる植物及び動物の脊髓より發光するところの螢光又はラジウム性放射線が、如何に我我の健康に有害なるかを想へ、斯くの如き光線は人身をして糜爛せしめ、侵蝕せしめずんば止まず。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
月蝕皆既萩原朔太郎みなそこに魚の哀傷、われに涙のいちじるく、きみはきみとて、ましろき乳房をぬらさむとする。
— 萩原朔太郎 『月蝕皆既』 青空文庫
だれが文字の腐蝕を防ぎ得るか。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
彼の病んで蝕ばんだ肉體は、常にその意志の烈しい衝動によつて惱まされて居た。
— 萩原朔太郎 『本質的な文學者』 青空文庫
左肺が肺癆に罹つて大部分腐蝕してゐるのは誰れも認めてゐたが、一週間程前から右肺の中葉以上に突然起つた聽診的變調と、發熱と、腹膜肋膜の炎症とを綜合して考へて見ると粟粒結核の勃發に相違ないと堅く信じたのだ。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
出典: 蝕 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0