幻辞.com

後退る

あとじさる
動詞
1
標準
文例 · 用例
)神職 (魔を切るが如く、太刀を振ひらめかしつつ後退る)したたかな邪気じゃ、古今の悪気じゃ、激い汚濁じゃ、禍じゃ。
泉鏡花 多神教 青空文庫
」 私は一瞬|慄毛を振るつて後退るやうにして面を振り立てた。
嘉村礒多 途上 青空文庫
と、黒鴨の武士であるが、別に切り込んで行こうとはせず、あべこべにヒョイと後退ると、ダラリと両手を両脇へ下げ、それからまたも懐手をしたが、薄っペラの調子で喋舌り出した。
国枝史郎 前記天満焼 青空文庫
彼は初めて次第に恐怖を表はして、鈍い動作でふと立ち上り、私を擦り抜けるやうにして戸口の方へ廻つて行つて、蒼白い薄笑ひを次第に硬直させ乍ら、私の腕を払ひのけるためのやうに無意味に其の手を振り動かして、少しづつ後退るのであつた。
――あるミザントロープの話―― 青空文庫
』私の話す間もやつはさらにずるずる後じさる、それにやつの顔を見る限り、私がおかしくなったと思ったようで。
A STUDY IN SCARLET 緋のエチュード 青空文庫
」 後じさることも出来なかった。
国枝史郎 剣侠受難 青空文庫