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逆法

ぎゃくほう
名詞
1
標準
文例 · 用例
護摩壇に向つて、髯髪も蓬に、針の如く逆立ち、あばら骨白く、吐く息も黒煙の中に、夜叉羅刹を呼んで、逆法を修する呪詛の僧の挙動には似べくもない、が、我ながら銀の鍋で、ものを煮る、仙人の徒弟ぐらゐには感ずる。
泉鏡太郎 続銀鼎 青空文庫
山伏しが逆法螺を吹くといふ事は、後々までも恐しい事にされてゐた。
折口信夫 ごろつきの話 青空文庫
総じて館の討入りには、順法と逆法がある。
久生十蘭 鈴木主水 青空文庫
――人体の血脈ともみるべき大事な一|城の水を、掛樋でよばんなどとは築城の逆法」「いや、逆法ではない」「逆法とぞんずるッ」「貴殿の尊奉なさる越後の天鼓流では、まだ作事や築工に時勢おくれのところがあるゆえ、それを逆法と思われるかも知らぬが、自分の信ずる越前……」 と、いいかけて、卜斎、グッとつまった。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
「う……」と、卜斎いよいよタジタジして、「いや、わしは信じる」「なにを」「逆法ではない、けっして。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
逆法とはいわさん」 と、すこぶるあいまいにゴマ化したが、そのたいどにろうばいのようすがじゅうぶんに見えたから、一|時に静かな空気を破って、ドッという嘲声がわき返り、さしも強情な卜斎、ついに、半分|紛失している小鼻のわきへ、タラタラと脂汗をながしてしまった。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫